低視聴率だったけど面白かった『それでも、生きてゆく』について語りたい

こんばんは、今日も低視聴率だったけれど面白かったのでもっと評価されるべきだと思うドラマとして『それでも、生きてゆく』について語りたいと思います。

『それでも、生きてゆく』は2011年の夏クールでフジテレビで放送されたドラマで、猛烈に重たいドラマです。1話1話に凄い緊張感があって、決して楽しい気持ちで見るものではありません。

この『重たさ』や『救われなさ』が懸念されてか、平均視聴率は10%を下回っています。

■圧倒的な実力派が揃った『それでも、生きてゆく』

重いテーマで低視聴率だった『それでも、生きてゆく』ですが、主演の瑛太、道島ひかり、脇を固める大竹しのぶ、時任三郎、風間俊介、風吹ジュンなどが本当に、実に素晴らしい芝居をしています。

特に、娘を殺されてしまった傷を負った母親を演じる大竹しのぶの芝居が凄い!

大竹しのぶは映画「黒い家」でのめっちゃくちゃ怖い芝居にもあるように、静かな怖さ、目の中に宿る強い怒りの表現が凄いです。

息子の妻が孫を産んだことさえも妬ましく思ってしまうと告白する長セリフのシーンと、娘を殺した犯人に怒りをぶつけるシーンこれだけでも見て欲しい!


あと、私はこのドラマで初めて安藤サクラを知ったんですが、凄く自然で、凄くリアルで「なんて上手い人なんだ!」と思いました。いやらしーい話し方とか醸し出す雰囲気が良かったです。

道島ひかりはこのドラマの後に出演した『Woman』で一気に注目度を上げた感じでしたけど、このドラマでもかなり繊細な芝居をしていて、インパクトは大きかったですね。

瑛太も、脇に食われずにしっかり存在感を出していました。この人も上手いですね!クールな役も、おちゃらけた役も、もっさい役も全てリアルに演じるので、役でこんなに変わるんだな!と毎回驚かされます。

テイストとしては『最高の離婚』の浜崎さんが、物凄くキツイ境遇で育ったらこうなるのかな、という感じです。脚本が同じ人だというせいもありますが「え?」「え?」と小刻みに会話を交わす所や、やたらと「〇〇的な、〇〇系の、〇〇する感じの、〇〇です」という話し方をします。


残念な事は、反日運動が激しいフジテレビのドラマだったので、劇中の小道具(このドラマだと週刊誌の表紙)にストーリーとは全く関係ない反日要素を盛り込んだことで否定的な注目を浴びたことですね。

ドラマそのものはとてもクオリティーが高いぶん、こういう事で注目されてしまうのは非常に勿体ないです。


■『それでも、生きてゆく』のあらすじ

では簡単に、重たい内容っぷりを紹介すると

15年前、当時中学生だった双葉(道島ひかり)の兄健二(風間俊介)が、洋貴(瑛太)の妹、当時7歳の亜季を殺害する。

健二は亜希以外にも殺人を犯していたが、未成年という事で刑罰を受けることはなかった。


双葉たちは「少年A」の親族という事で15年たってもバッシングを受け続け、家族の誰かが転職しても、引っ越しをしても、交際しても、匿名で少年Aの親族であると密告され、生活を追われていた。

被害者遺族である洋貴の家も、父親・達彦(柄本明)が「また産めばいい」と言ってしまった事で母親の響子(大竹しのぶ)と亀裂が入り、長く別居状態にあり、洋貴は父親と、響子は洋貴の弟耕平(田中圭)夫婦と同居して暮らしている。

達彦は、1年前に少年Aが描いた絵を手に入れるが、事件現場を美しく描いた絵を見てまるで事件を美しい思い出としているように見え、反省も更生もしていないと復讐を決意するが、癌の宣告を受けており、叶わずに死んでしまう。

父親の想いを受け取り、もう顔も思い出せなくなっていた妹の復讐を決意する洋貴だった。

双葉は事件当時小学生だったが、妹想いの優しい兄の記憶もあり、どこかで冤罪なのではないかと思っていた。匿名で中傷を続けてくるのは遺族だろうと思った双葉は、洋貴を接触して止めて貰おうとする。

憎い犯人の親族であることで双葉を拒絶するが、加害者の親族と被害者の遺族は、真逆の立場に居ながら、お互いに似ている苦しみを背負って生きて来た事に気がつき、双葉そのものに対しての憎悪は抱かなくなる。


双葉も、事件の詳細を改めて自分で調べていくうちに、冤罪だと信じていた兄が、犯人であった事を確信し、大きく動揺する。

洋貴と双葉の間には妙な絆が産まれ、不器用ながら仲を深めていくのだが、更生施設から出所した健二が双葉の元に現れ、健二と一緒に暮らそうと言ってくる。

健二は事件について反省はしていない。双葉は拒絶する。

健二は精神的に不安定になり、健二は出所後の自分を受け入れ、好意的に接してくれた果樹園の草間ファームのオーナーの長女・真岐(佐藤江梨子)を暴行し逃走する事件を起こす。

健二が再び事件を起こしたとして、父親として責任を感じる駿輔(時任三郎)は自分達の生活を守るために健二と他人になるのではなく、父親として健二の更生に努め続けなくてはならないと決意する。

俊輔の妻・隆美(風吹ジュン)は、双葉には伏せていたが健二と双葉との実母ではなく、双葉が幼いうちに後妻になっていた。健二とは異母兄妹である双葉の妹・灯里福田麻由子)を最優先に考えている隆美に強くショックを受ける。

逃走を続ける健二を負った双葉は、同じく健二を追って殺害しようとしていた洋貴に殺人犯になって欲しくないと止め、兄に自首を進めるが、警察署の前で全く反省していない兄に我慢がならず馬乗りで殴り続けた。

健二は今度こそ実刑を受けることになるが、双葉は兄の責任を取る形で、健二が暴行して意識を失ったままの真岐の娘の母代わりとして寄り添い、一生かけて草間家に奉仕する決意をする。

洋貴は兄の事で、自分の人生を捧げ続ける必要はないと止めるが、双葉の決意は固く、洋貴との交際を断念して草間家に行くことになる。

その直前、二人は最後の思い出として遊園地でデートらしいデートをし、お互いの想いを伝え合いながらも悲しい別れをした。

その後も、それぞれの人生を全うしながら、お互いに、相手に届くこともない手紙を書き続けていた。


という話です。

■『それでも、生きてゆく』の終わり方に疑問

もうね、とにかく健二が酷い! 全くと言っていい程人の善意とか痛みとかが響かない。亡き母を追って、唯一自分と同じ母の血が流れている双葉に理解を求めて、自分本位な奴です。

こういうサイコパスな理解不能の役を風間俊介は良く演じますよね。だから、他のドラマで風間俊介を見かけても、笑顔が怖いというか、なんか絶対裏で人殺してそうな感じがしちゃいます。

双葉の決意は、なんだか凄く自己満足のようで、真岐の父親も加害者家族にそんな事してもらいたくない、何も知らない孫が懐くのも嫌だと言っていますが、その通りだと思います。

目覚めた時、自分を殴った男の妹が自分の娘の母親気どりで世話していたと知ったら絶望するんだけどな。

でも双葉は一生を捧げて奉仕しないと、いたたまれないんでしょうか。

この決断には正解がわからないな。

凄く重たくて、凄く救われない話なんですが、それゆえに、不器用に心を通わせる双葉と洋貴がとても可愛く微笑ましいドラマです。

ありがちなミラクルハッピー展開ではなく、とことんシビアにリアルなドラマが見たい!という人には是非見てもらいたいドラマでした!


他のドラマでもあれこれ語っておりますのでこちらの目次も覗いてみてやって下さい。

テーマ : 懐かしのドラマ
ジャンル : テレビ・ラジオ

コメントの投稿

Secret

プロフィール

ちょっこ

Author:ちょっこ
1983年産まれ、東京生まれ東京育ち。東京ディズニーランドと同い年。ファミコンとも同い年。キレる17歳って言われていたあの世代です。

昔っからテレビっ子。ドラマ大好き。今はテレビの他にHuluでもあれこれ漁っております。

懐かしのドラマのレビューや、最新のドラマ情報やあらすじ紹介なんかをあれこれ書こうと思っています。

最新記事
月別アーカイブ
カテゴリ
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

検索フォーム
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR